補色同士は引き立て合う?イメージカラーの選び方
使う色ひとつで、その印象は大きく変わります。
特に「コーポレートカラー」として選ばれた色は、企業の顔ともいえる重要なものです。
今回は正反対の色である「補色」を上手に企業のロゴに取り入れている企業を例にあげ、会社や自分自身のイメージカラーを考える際のヒントをお伝えしていきます。
「補色」って何?
補色とは、何でしょう?
補色は「色相環」上で互いに対面する色のことをいいます。
色相環とは、色を円形に配列したツールで、色の関係を簡単に理解できるものです。
例えば、色相環上で青の補色(対面する色)はオレンジになります。
では、赤の補色となる色は何色でしょう?
正解は緑です。
このように、色相環上で対面にある色を補色と呼び、補色同士を組み合わせると、互いの色がより鮮やかに映え、強い印象を与えることができます。
コーポレートカラーにおける補色の活用例
私たちの身近でも、補色をコーポレートカラーに使っているところがあります。
一例として「セブンイレブン」のロゴを思い浮かべてください。
セブンイレブンのロゴには
・オレンジ
・緑
・赤
の三色が使用されています。
このうち、緑と赤は補色関係になっています。
参考:新しいタイプの商標として『色彩のみからなる商標』が、日本で登録第1号!
ちなみにこの3色は
「朝焼け」のオレンジ、「オアシス」のグリーン、「夕焼け」のレッドを表現しており、朝から夜までお客様のオアシスでありたいという思いが込められているそうです。
緑と赤の組み合わせは、イタリアン・レストランのチェーン店である「サイゼリヤ」も同じですね。
次に、スウェーデン発の家具販売店「IKEA」のロゴも想像してみてください。
こちらは、青と黄色の組み合わせです。これも補色同士です。
ちなみにIKEAのカラーはスウェーデン国旗に由来するそうで青は「澄んだ空」。黄色は「キリスト教、独立、自由」といった意味があるそうです。
補色同士を組み合わせると、互いの色がより鮮やかに映え、強い印象を与えることができる、とお話ししましたが、確かに色の強さが強調されているように見えますね。
補色を使うことのメリット
コーポレートカラーに限らず、イメージカラーを選ぶときには「補色を使う」という選択肢があることを覚えておきましょう。
補色同士を組み合わせると、単なる組み合わせ以上に「お互いの色を引き立たせ合う」という効果を得ることができます。
ただ、補色を候補に入れる場合は「目立たせる」という目的だけではなく「色が持つ意味」と「どのように解釈されるか」も合わせて考える必要があります。
次の章では「補色を使わないほうがいいケース」を紹介しますので、参考にしてみてください。
補色を使わないほうがいい場面
補色を使うと鮮やかで目を引きますが、反対に補色を使わないほうがいいケースもあります。
特に、以下のような状況では補色の使用を避けたほうが良いでしょう。
・落ち着きを求める場合
落ち着いた、穏やかな雰囲気を目指すデザインでは、補色を使うと互いに強調し合うため、意図した穏やかさが失われる可能性があります。
・高齢者向けのデザイン
高齢者の目には補色の組み合わせはコントラストが刺激的すぎることがあるため、補色の使用は避けたほうが良い場合があります。
この場合はより柔らかく、温かみのある色合いが好まれることが多いです。
・細かいディティール
細かいディテールに補色を使うと、読みにくさを引き起こす可能性があります。明瞭性を確保するためには、背景と文字の色は高いコントラストを避け、読みやすさを優先させましょう。
まとめ
補色は強いコントラストがあり、視覚的に非常に効果的です。色の選び方ひとつで伝えたいメッセージや創りたい雰囲気が大きく変わることを踏まえ、補色という方法もあることを知っておいてくださいね。
色の力を賢く利用し、目的に合ったカラー戦略を行っていきましょう!